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2026年8月26日|21分

イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里 Part2

ゲスト: 竹内友里(東洋製罐グループホールディングス株式会社 イノベーション推進室長代理)

イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里 Part2

東洋製罐グループホールディングスで、2万人の組織にイノベーションが起こる土壌をつくる竹内友里さんをお招きします。Part2では、消臭材「デオリカ」が医療・介護向けシートへ広がるまで、研究所と新規事業の間をつなぐイノベーション推進室の役割、缶の省エネ技術から光学用フィルムが生まれた逆転の発見を追います。後半は竹内さんの原点、エビの「プリプリ感」を守る研究へ。大企業が新しい筋肉を鍛え直す方法と、カニ缶はあるのにエビ缶がない理由を聞きます。

  • 魚調理のにおい対策から生まれた「デオリカ」が医療・介護向け消臭シートへ
  • 包帯の上から巻いてにおいを抑える「シート状」の使い勝手
  • 研究所と新規事業推進室の間をつなぐイノベーション推進室
  • いい技術を社会に届ける前に、プロジェクトが道に迷う理由
  • 納期と品質を守る筋肉、新規事業をつくる筋肉
  • 潤滑剤と洗浄工程を減らすため、缶の金属板に貼ったフィルム
  • 「無延伸なら光を屈折させない」――顧客が見いだした新しい価値
  • 缶の技術から光学用フィルムの新工場・新規事業へ
  • 「氷結」の開発者が会長、フィルム事業の立役者が社長
  • NHK「ためしてガッテン」にもつながった竹内さんのエビ研究
  • カニ缶はあるのに、なぜエビ缶はない?
  • レトルト殺菌で失われるプリプリ感、もそもそになる食感の謎

この回の内容

東洋製罐グループホールディングスのイノベーション推進室長代理・竹内友里を迎えたシリーズのPart2。Part1の最後に出た消臭材料「デオリカ」のその後から始まる。容器のにおいを取る技術が容器以外にも使えるということで、グループ内の総合研究所での研究を経て本社の新規事業推進室が事業化を進め、においを吸収するシートを発売した。怪我や病気でにおいが出てしまうところに巻いて抑える、医療用途の製品だ。イノベーション推進室はこの過程にハブとして関わった。研究所は研究に没頭して最高の材料を作る場所、新規事業推進室は事業を作る場所。その間に、昔からお客さんとやり取りして製品を開発してきたベテランが入り、お客様とのやり取りやPRなど自社が忘れがちなところを思い出させる。この役割がないと「道に迷いやすくなる」。会社が大きくなり役割分担が進むと、注文通りの納期と品質で届けることに特化していき、昔やっていた新しい動きを忘れてしまうからだ。後半は光学用フィルムの話。スマホやディスプレイに入る無延伸フィルムは、もとは缶のための技術だった。社内で「タルク」と呼ぶ環境配慮型の缶では、金属板を潤滑剤の中で引き伸ばした後、潤滑剤を洗って乾かす工程で大量の水と加熱エネルギーを使う。そこで潤滑剤の代わりに板の表面へフィルムを貼り、洗浄と乾燥の工程を削減した。貼った時点のフィルムは無延伸で、それを見たお客様が「光を屈折しないなら光学フィルムに必要な機能だ」と価値を見出し、工場を建てて新規事業になった。進めたイノベーション推進室の初代室長が現在の社長で、「氷結」の開発者は前社長で現会長。最後は竹内自身のエビ研究。カニ缶はあるのにエビ缶がないのはなぜか——エビをレトルト殺菌にかけるとプリプリ感が失われ、もそもそとした食感になって元に戻せない。東洋食品研究所の研究員として、そのプリプリ感をどう守るかを研究していたという。

この回でわかること

消臭材料「デオリカ」はいまどこまで来ているのか?

グループ内の総合研究所での研究を経て、本社の新規事業推進室が事業化を進め、においを吸収するシートの発売を開始した。怪我や病気でにおいが出てしまうところに巻いてにおいを抑える、医療用途の製品として売り出している。

イノベーション推進室は、研究所や新規事業推進室と何が違うのか?

研究所は研究に没頭して最高の材料を作る場所、新規事業推進室は事業を作る場所で、イノベーション推進室はその間に入るハブとして機能する。昔からお客さんとやり取りしながら製品を開発してきたベテランが間に入り、お客様とのやり取りやPRなど、自社が忘れてしまいそうなところを思い出させる。

そういう役割の人がいないとどうなるのか?

「道に迷いやすくなる」という。会社が大きくなって役割分担が進むと、注文通りの納期と品質で届けることに特化していき、昔やっていた新しい動きを忘れてしまう。いいものはあっても、それを社会にどう届けるかがつながらなくなる。

スマホやディスプレイに入る光学用フィルムは、どこから生まれたのか?

もとは缶のための技術。金属板を潤滑剤の中で引き伸ばして缶の形にすると、その後の洗浄と乾燥で大量の水と加熱エネルギーを使うため、潤滑剤の代わりに板の表面へフィルムを貼ることにした。その貼った状態のフィルムが無延伸であることを見たお客様が、光を屈折しないなら光学フィルムに必要な機能だと価値を見出し、工場を建てて新規事業になった。

カニ缶はあるのに、なぜエビ缶はないのか?

エビを缶詰にしてレトルト殺菌にかけると、あのプリプリ感が失われ、もそもそとした食感になってしまうから。味はエビのエキスなどである程度再現できるが、食感は一度もそもそになると戻せない。竹内は東洋食品研究所の研究員として、このプリプリ感をどう守るかを研究していた。

話したトピック

  • 消臭材料「デオリカ」のシートが医療用途へ/怪我や病気のにおいを巻いて抑える
  • 総合研究所で研究し、本社の新規事業推進室が事業化する
  • 研究所と新規事業のあいだをつなぐ、イノベーション推進室のハブ機能
  • 思い出させる人がいないと「道に迷いやすくなる」
  • スマホやディスプレイの光学用フィルムは、もともと缶のための技術だった
  • 潤滑剤の代わりにフィルムを貼り、洗浄と乾燥の工程を削減する
  • 「無延伸=光を屈折しない」とお客様が見出し、工場を建てて新規事業に/初代室長は現社長
  • エビのプリプリ感研究/カニ缶はあるのにエビ缶がない理由

この回の発言から

そのシートが匂いを吸収してくれるということで医療用途として使っていただけないかなと考えておりまして、怪我だったり病気の方だったり、怪我の方で匂いがしてしまうようなところに、そのシートを巻いていただくことで匂いを抑えられる
— 竹内友里
やっぱり道に迷いやすくなるかもしれないなと思いますね
— 竹内友里
もともとはあの製品、あの素材技術は缶のための技術だったんですよ
— 竹内友里
で考えたのが、潤滑剤の代わりとなるように、缶の板の表面にフィルムを貼ることにしたんですよ
— 竹内友里
でそれをある時、あのお客様がそれを見られた時に、無延伸ってことは光を屈折しない、まっすぐ進むよね、それ光学フィルムの機能として必要ものだよね、っていうことで、見出してくださったんですよ
— 竹内友里
それをやっていたのがイノベーション推進室の初代室長ですし、今の東洋製罐グループホールディングスの社長になるんです
— 竹内友里
なのでイノベーションって遠い話ではないっていうことなんですよね。東洋製罐グループがやってきたことなんですよ
— 竹内友里
私はえびのプリプリ感を研究していました
— 竹内友里
でその缶詰にしようとしたら、あのプリプリ感がなくなってしまったんですよね
— 竹内友里

このシリーズのエピソード

イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里