2026年8月18日|22分
イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里 Part1
ゲスト: 竹内友里(東洋製罐グループホールディングス株式会社 イノベーション推進室長代理)
東洋製罐グループホールディングスで、2万人の組織にイノベーションが起こる土壌をつくる竹内友里さんをお招きします。Part1では、毎日の暮らしに潜む同社の容器から、7人の推進室が組織を動かす方法、失敗作から生まれた「氷結」のダイヤカット缶、魚のにおいをきっかけに生まれた消臭材料まで。長寿企業の中に眠る「すでにあるイノベーション」を掘り起こします。
- 紙コップの「巻き終わり」で東洋製罐グループ製を見分けられる?
- 缶の片隅にある楕円形の「CAN」マーク
- 金属、プラスチック、紙、ガラス――暮らしを支える4つの素材
- 2万人のグループに7人で向き合うイノベーション推進室
- 「新規事業をつくる部署」ではなく、起こる組織と人をつくる
- 外向きの発信が、社外の見方と社員の気持ちを変える
- 100年続けてきた改善と顧客との共創こそ、すでにイノベーションだった
- 強度を保つための模様が、なぜ「失敗作」になったのか
- 缶を開けた瞬間に模様が浮き出る――「氷結」ダイヤカット缶の誕生
- 飲み会の買い出しで新人が探す「CAN」マーク
- 電子レンジで魚を焼く容器のにおい問題から生まれた消臭材料「デオリカ」
この回の内容
東洋製罐グループホールディングスのイノベーション推進室長代理・竹内友里を迎え、1917年創業で2027年に110周年を迎える容器メーカーの中でイノベーションをどう起こすのかを聞くシリーズのPart1。紙コップは巻き終わりが左上、缶の片隅には楕円の中に大文字で「CAN」と書かれた小さなマーク——収録現場に持ち込んだ紙コップと3本の缶がすべて同社グループ製だった、という話から始まる。扱う素材は金属・プラスチック・紙・ガラスの4つで、ペットボトルや調味料容器のキャップも手がけるが、印刷されるのは飲料・食品メーカーのブランドなので、一般には社名を知られないまま日常的に使われている。2019年に生まれたイノベーション推進室は現在7名。2万人のグループに対して「イノベーションをする部署」ではなく、イノベーションや新規事業が起こる組織と人をつくることをミッションにしている。効果が大きかった活動のひとつが、YouTubeやイノベーションマガジンによる外向きの発信で、社外からの見られ方が変わると社員の気持ちも変わっていく。当初社内にあった「これまでやってきたことを否定されている」という受け止めには、お客様と一緒に新しい価値を見出してきたこと自体がすでにイノベーションだったと伝え返す。その象徴が「氷結」のダイヤカット缶。もとはスチール缶の板厚を薄くしても強度を保つための模様で、アルミ缶では中身の炭酸で膨らむと模様が見えづらくなり社内では失敗作扱いだったが、サンプルを捨てようと開けた瞬間に模様が浮き出るのを見て価値が反転し、ちょうど「氷結」を出そうとしていたキリンのイメージと合致した。最後は、電子レンジで魚が焼ける紙容器のにおい問題から生まれた消臭材料「デオリカ」まで話が及ぶ。
この回でわかること
東洋製罐グループホールディングスはどんな会社なのか?
金属・プラスチック・紙・ガラスの4素材を扱う容器メーカーで、ペットボトルや調味料容器のキャップも手がける。1917年創業で2027年に110周年を迎え、グループ社員は2万人。ただし印刷されるのは飲料・食品メーカーのブランドなので、一般には社名を知られないまま日常的に使われている。
イノベーション推進室は何をする部署なのか?
2019年に生まれ、現在は7名。自分たちがイノベーションをする部署ではなく、イノベーションや新規事業が起こる組織をつくり、そういう人を育てることをミッションにしている。
2万人の組織を動かすうえで効果が大きかった活動は?
外向きの発信。YouTubeやイノベーションマガジンで自社の技術や新しい取り組みを外に示すと、社外からの見られ方が変わり、それが社員の気持ちも変えていく。あわせて、お客様と一緒に新しい価値を見出してきたこと自体がすでにイノベーションだった、と社内に伝え返している。
「氷結」のダイヤカット缶はどう生まれたのか?
もとはスチール缶の板厚を薄くしても強度を保つために入れた模様だった。アルミ缶では中身の炭酸で膨らむと模様が見えづらくなり社内では失敗作扱いだったが、サンプルを捨てようと開けた瞬間に模様が浮き出るのを見て価値が反転し、ちょうど「氷結」を出そうとしていたキリンのイメージと合致した。
消臭材料「デオリカ」はどこから生まれたのか?
電子レンジで魚が焼ける紙容器のにおい問題が出発点。容器側でにおいを取れないかという発想で検討が始まり、においを取る技術ができたことで容器以外の用途にも広がった。タオルの生地に練り込むと汗をふいてもにおいが出にくいという声が届いている。
話したトピック
- 1日1回は手にしている東洋製罐グループの容器
- 紙コップの巻き終わりと、缶の片隅にある楕円の「CAN」マーク
- 金属・プラスチック・紙・ガラス/ペットボトルや調味料容器のキャップまで
- 2万人のグループに7名のイノベーション推進室(2019年〜)
- 「イノベーションをする部署」ではなく、起こる組織と人をつくる
- 外向きの発信が、社外の見方と社員の気持ちを変える
- お客様との共創こそ、すでにイノベーションだった
- 失敗作だった「氷結」のダイヤカット缶が価値に反転するまで
- 電子レンジで魚を焼く容器のにおいから生まれた消臭材料「デオリカ」
この回の発言から
皆さん必ず1日1回は弊社の容器作っているものを持ってるんじゃないかなって思ってるんですよね
金属の缶と紙の容器と、あとはですね、ペットボトルなどプラスチックの容器もそうですし、ガラスの瓶もそうですし、キャップもそうなんですよ
イノベーション推進室はですね、イノベーションをする部署ではなくてですね、イノベーションとか新規事業が起こる組織を作ったり、そういう人を育てるとかそういうところをやっている
そうすると外からの見られ方が変わり、プラスさらに社員の気持ちも変わってくるんですよね
今まで自分たちがやってきたことを否定されるような気持ちもあるじゃないですか
自分たちが逆に当たり前にやりすぎてしまっていて、気づきにくくなってしまっていることを、掘り起こして
スチール缶の方の板厚を、もうちょっと薄くしたいという中で、強度を保たせるために、この模様を最初は入れていて
なのでお客さんの方がこの価値を強く見出してくださったんですよね
このシリーズのエピソード
イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里
- Part1: イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里 Part1 (このページ)
- Part2: イノベーションはどう起こす? with 東洋製罐グループホールディングス 竹内友里 Part2