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2026年2月11日|23分

驚くべき10代の当事者研究って?-中学生と高校生に聞く(Part1)

ゲスト: 鈴木さん(高校3年生)平岩さん(中学3年生)

驚くべき10代の当事者研究って?-中学生と高校生に聞く(Part1)

中高生のための学会「SIENCE CASTLE 2025」の会場にて収録。10代のお二人の「当事者研究」について掘り下げます。自らの体験をどのように「研究」につなげているのでしょうか。(1 of 2)

佼成学園高等学校3年生の鈴木 真理さん『入院中の中高生に特化した感情を理解できるAIの開発』は、「人と社会の関わりから健康を考える、ありとあらゆる研究」を対象としたアステラス製薬賞に選ばれています。

岡山県立倉敷天城中学校3年生 平岩いぶ季さん『個々人の「一文字を認識する向き」と「文章全体を読む方向」の関係を研究する』は、「自分自身の特性やマイノリティ性に着目したあらゆる開発や研究」を対象とした公益財団法人ベネッセこども基金のD&I賞に選ばれています。

  • 繰り返した入退院の経験から
  • AIは健常者向けのバイアスがかかっている
  • 「横読み」と「縦読み」で認識しやすさが違う
  • 家族のドライブ「落石注意」の看板を見て
  • そもそも「研究」ってどうやるの?
  • 学校で教わる探究学習とは
  • 病院では身体を治すが「会話」がない
  • 「研究」に繋げる強さ

この回の内容

中高生のための学会「サイエンスキャッスル2025」(東京科学大学大岡山キャンパス)の会場で収録された、10代の当事者研究をテーマにした回の前編。ゲストは研究発表のために来場した高校3年生の鈴木さんと中学3年生の平岩さんの2人。鈴木さんは「感情を理解できる、入院中の中高生に特化したお悩み相談AIサービス」を開発中。自身が10回以上の入退院と脳腫瘍の宣告を経験し、中高生は不安やストレスを感じやすいこと、手術前の不安が手術後の痛みに影響するという海外の先行研究を踏まえて着想した。既存の生成AI(Gemini等)は入院という制約を理解せず「散歩してみよう」といった実行不可能な提案を返し、かえって孤独感を深めてしまう。そこで顔の表情分析から得た感情データ(怒り70%・喜び30%など)をテキストと併せてAIに送信する仕組みを考案し、臨床試験に向けたルールブックや質問紙を準備している。平岩さんは「個人の一文字を認識する向きと文章全体を読む方向の関係」を研究。ドライブ中に見た縦書きの「落石注意」看板をめぐる家族三者三様の受け止め方から、縦読み・横読みの読みやすさの違いは個人の文字認識の仕方にあるという仮説を立て、漢字の構成ごとに分けた表の音読実験で検証を進めている(練習効果という課題も判明)。後半では研究の進め方として、学校の総合探究やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)で研究サイクルを回した経験が土台になったこと、そして入院中は1日の会話が30分程度しかないという孤独や、病棟で夢を諦めていく同世代との出会いが研究の原動力になったことが語られた。

この回でわかること

入院中の中高生向けのお悩み相談AIはなぜ必要なのか?

鈴木さんは自身が10回以上の入退院と脳腫瘍の宣告を経験し、中高生は不安やストレスを感じやすいこと、手術前の不安が手術後の痛みに影響するという海外の先行研究を踏まえて着想した。入院中は1日の会話が30分程度しかないという孤独や、病棟で夢を諦めていく同世代との出会いが原動力になっている。

既存の生成AIでは何が足りないのか?

Gemini等の既存AIは入院という制約を理解せず、「散歩してみよう」といった実行不可能な提案を返し、かえって孤独感を深めてしまう。そこで顔の表情分析から得た感情データ(怒り70%・喜び30%など)をテキストと併せてAIに送信する仕組みを考案し、臨床試験に向けたルールブックや質問紙を準備している。

縦書きと横書きで読みやすさが変わるのはなぜか?

平岩さんは、縦読み・横読みの読みやすさの違いは個人の文字認識の仕方にあるという仮説を立てた。ドライブ中に見た縦書きの「落石注意」看板をめぐる家族三者三様の受け止め方が出発点で、漢字の構成ごとに分けた表の音読実験で検証を進めている(練習効果という課題も判明した)。

中高生はどこで研究の進め方を身につけたのか?

学校の総合探究やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)で研究サイクルを回した経験が土台になったと語られる。

話したトピック

  • サイエンスキャッスル2025会場でのゲスト紹介
  • 入院中の中高生に特化したお悩み相談AIサービスの開発
  • 10回以上の入退院経験と脳腫瘍の宣告という開発のきっかけ
  • 既存AIが入院の制約を理解できない課題と表情分析の導入
  • 縦読み・横読みの読みやすさと文字認識の個人差の研究
  • 「落石注意」の看板から生まれた仮説と音読実験
  • 総合探究・SSHで培った研究サイクルの経験
  • 入院中の孤独と1日30分しかない会話

この回の発言から

なんかすごい綺麗な風景、明るい部屋で、看護師さんが毎回のように来てずっと話してくれるっていう幻想を見ていたんですけど……それとは結構真逆で
— ゲスト(鈴木)
ごめんなさいって、これって「大変申し訳ありませんでした」か、「うるせえな悪かったな」という。ごめんなさいにもすごい極端な意味がある
— ゲスト(鈴木)
入院中できないことをジェミニが提案してくる。そこで歩いてみようとか、散歩してみようぜとか、海行ってみようみたいなこと。……そこでAIの信用がなくなってしまって、孤独で追い込まれてしまう
— ゲスト(鈴木)
日本人は1日あたり5時間から6時間話してるらしいんですね。入院中測ってみたら30分ぐらいしかなくて。
— ゲスト(鈴木)
病院もかなり充実していて、体を治す分にはすごい最適な環境なんですけど、心を治す……というところがあまりなかった
— ゲスト(鈴木)
ドライブしてた時に落石注意っていう縦書きの看板が置いてあって、父親は横書きの方が適していると言って、私は今のままでもいいんじゃないかなって。母親は熟語ごとに落石と注意という二分割で読んでいるから、縦書きも横書きも関係ないと
— ゲスト(平岩)
縦と横によって読みやすさが変わる原因は、個人の認識の仕方にあるのではないかっていう仮説を立てて、それを検証してる感じです。
— ゲスト(平岩)

このシリーズのエピソード

驚くべき10代の当事者研究って?-中学生と高校生に聞く