THE UPDATE

2026年4月1日|23分

顕微鏡の今 with ニコンソリューションズ大場さん

ゲスト: 大場敬生(株式会社ニコンソリューションズ 副社長)

顕微鏡の今 with ニコンソリューションズ大場さん

顕微鏡の専門家である株式会社ニコンソリューションズ バイオサイエンス営業本部執行役員の大場さんをお迎えして、最新の顕微鏡事情について伺います!

  • 5メートルのどデカい顕微鏡!?
  • 5mm四方の世界を見たい
  • カルシウムイオンが脳内でスパーク
  • 全国の大学・研究施設へ
  • 研究者と夢を語り合う
  • 世界で初めてのことが論文になる
  • 「ないものをつくる」
  • 研究者は世界中でつながっている
  • 二光子顕微鏡とは
  • 脳の深いところを見られる
  • 研究者は意外とシンプル

(ゲストの所属と肩書は収録当時のものです)

この回の内容

リバネスナレッジの川崎佑治が案内役を務めるポッドキャスト『The Update』の一回。ゲストは株式会社ニコンソリューションズでバイオサイエンス営業本部執行役員を務める大場敬生。同社が光学顕微鏡(電子顕微鏡や原子間力顕微鏡とは異なり、ナノより大きくミリより小さいサブミクロン領域を捉える顕微鏡)の販売に特化していることを出発点に、対象を小さく見るほど視野が狭まるというトレードオフや、研究者のニーズに応じてゼロから設計する大型顕微鏡(直近では5メートル×5メートル規模)でマウスの脳の神経シナプスやカルシウムイメージングのダイナミクスを広視野かつ高速に捉える意義を語る。大場は「世界で初めての絵」を撮るには既製品ではなくリスクを取って世の中にない装置を作る必要があると説き、自身は競技する研究者を応援するサポーターだと表現する。全国47都道府県の大学・研究機関を訪問し、イスラエルのヘブライ大学など海外ともボーダレスにつながる研究者と夢を語り合う営業スタイルも紹介。後半は光源の違い(LEDとレーザー)から、可視域(およそ400〜700nm)を超える長波長光を当てて二光子吸収現象を起こす二光子顕微鏡へと話が進み、オープンスカルで生きたマウスの脳深部(500ミクロン〜1ミリ)を観察できる仕組みや、日本のイメージング技術が世界的に高い水準にあることを解説する。

この回でわかること

光学顕微鏡は電子顕微鏡と何が違うのか?

光学顕微鏡は、ナノより大きくミリより小さいサブミクロン領域を捉える顕微鏡で、電子顕微鏡や原子間力顕微鏡とは異なる。株式会社ニコンソリューションズはこの光学顕微鏡の販売に特化している。

小さく見ることにはどんなトレードオフがあるのか?

対象を小さく見るほど視野が狭まるというトレードオフがある。

なぜ巨大な顕微鏡をゼロから作るのか?

研究者のニーズに応じて設計するためで、直近では5メートル×5メートル規模のものがある。マウスの脳の神経シナプスやカルシウムイメージングのダイナミクスを、広視野かつ高速に捉える意義があると大場敬生は語る。

「世界で初めての絵」を撮るには何が必要か?

既製品ではなく、リスクを取って世の中にない装置を作る必要があると大場は説く。自身は競技する研究者を応援するサポーターだと表現し、全国47都道府県の大学・研究機関を訪問し、イスラエルのヘブライ大学など海外の研究者とも夢を語り合う営業スタイルをとる。

生きた脳の深部はどうやって観察するのか?

可視域(およそ400〜700nm)を超える長波長光を当てて二光子吸収現象を起こす二光子顕微鏡を用いる。オープンスカルで生きたマウスの脳深部(500ミクロン〜1ミリ)を観察でき、日本のイメージング技術は世界的に高い水準にあると解説される。

話したトピック

  • 光学顕微鏡と電子顕微鏡・原子間力顕微鏡の違い
  • サブミクロン領域の観察と分解能・視野のトレードオフ
  • 研究者のニーズに応じたゼロからの大型顕微鏡開発
  • 5メートル×5メートル規模の顕微鏡によるマウス脳観察
  • 神経シナプスとカルシウムイメージングのダイナミクス
  • 脳機能・学習記憶・睡眠とアルツハイマー等の創薬
  • 全国訪問営業とボーダレスな研究者ネットワーク
  • 光源の違いと二光子顕微鏡による脳深部イメージング

この回の発言から

例えば25個のパネルがあって1部しか開いてないと、あとの24は想像するしかないわけですけど、それが一度にパネルが全部開いてると
— 大場敬生
世の中にないものを作れば、それで見ればですね、すごい高い確率で世界で初めての絵が撮れる
— 大場敬生
サッカーでプレイヤーが競技していて、我々はスタンドから応援しているだけなんですよね
— 大場敬生
世界のいろんなところで戦争とか起こっているわけですけど、それと関係なくですね、ある領域の研究でつながっていて、それで会話ができてしまうと
— 大場敬生
オープンスカルって、マウスの脳の骨を削って、そこからカバーガラスをつけて、その中の1ミリぐらいをスキャンしてみるっていうようなことをやってるんですね
— 大場敬生
当たり前だけど教科書にも出てないようなことに取り組まれている研究者の方とお話しすること自体が非常に面白い
— 大場敬生

このシリーズのエピソード

顕微鏡の今 with ニコンソリューションズ大場さん