THE UPDATE

2026年4月20日|23分

顕微鏡の今 with ニコンソリューションズ大場さん Part2

ゲスト: 大場敬生(株式会社ニコンソリューションズ 副社長)

顕微鏡の今 with ニコンソリューションズ大場さん Part2

顕微鏡の専門家である株式会社ニコンソリューションズ バイオサイエンス営業本部執行役員(収録当時。2026年4月現在副社長)の大場さんをお迎えして、最新の顕微鏡事情について伺います!

  • ゲノム編集はここまで来ている
  • AIで進む研究
  • 医療の進歩は革命的に起こる
  • 発病前から病気がわかるかもしれない
  • 「見えないもの」をどんどん見る旅
  • 研究者はどういう申請書を書くんですか
  • イカが捕れなくなって・・・顕微鏡
  • 家庭に顕微鏡が普通にある未来

(ゲストの所属と肩書は収録当時のものです)

この回の内容

ポッドキャスト『The Update』後編。案内役の川崎佑治が、株式会社ニコンソリューションズの大場敬生に、研究者が興味を持つ対象そのものに興味を持つという営業姿勢から見えてくる最新の研究トレンドを聞く。大場は、ゲノム編集とアニマルウェルフェアを掛け合わせた事例として、殺処分が問題となる雄のヒヨコを卵の段階で雌雄判別するため、雌だけ目が白くなるよう遺伝子編集(エディット)した鶏を顕微鏡で観察する研究を紹介する。さらにイメージングにAIを組み合わせることで、細胞の特性から将来のがん発症や健康状態を予測できる可能性が広がり、レントゲンやMRI、内視鏡カメラに続いて細胞レベルでの画像判定が現実味を帯びていると語る。発病前のスクリーニングと先回りのケアによって健康寿命が延び、人生100年・120年・150年も夢ではないという医療革命の展望を示す。二光子顕微鏡が人間に見えない波長を当てて像を作り、その像をAIが人には見えない特徴量まで解析するという「見えないものを見る」営みを、25メートルプールに落としたコンタクトレンズを探す確率にたとえて説明。数百年の顕微鏡の歴史を踏まえ、先人の積み重ねで見える世界が広がってきたこと、腸内細菌や陸上養殖・水質観察といった応用の広がり、将来は各家庭の小型顕微鏡が唾液などから健康を判定し病院や農家とつながる時代像を描く。免疫学で2025年ノーベル生理学・医学賞を受けた坂口志文の、数十年前に見出され当初は学説的に受け入れられなかった発見が後の免疫薬につながった例にも触れる。

この回でわかること

ゲノム編集はアニマルウェルフェアにどう使われるのか?

殺処分が問題となる雄のヒヨコを卵の段階で雌雄判別するため、雌だけ目が白くなるよう遺伝子編集(エディット)した鶏を顕微鏡で観察する研究が紹介される。

イメージングにAIを組み合わせると何ができるのか?

細胞の特性から将来のがん発症や健康状態を予測できる可能性が広がる。レントゲンやMRI、内視鏡カメラに続いて、細胞レベルでの画像判定が現実味を帯びていると大場敬生は語る。

発病前のスクリーニングは何をもたらすのか?

先回りのケアによって健康寿命が延び、人生100年・120年・150年も夢ではないという医療革命の展望が示される。

「見えないものを見る」とはどういうことか?

二光子顕微鏡が人間に見えない波長を当てて像を作り、その像をAIが人には見えない特徴量まで解析する営みを指す。大場は、25メートルプールに落としたコンタクトレンズを探す確率にたとえて説明する。

顕微鏡はこれからどこへ向かうのか?

腸内細菌や陸上養殖・水質観察といった応用が広がり、将来は各家庭の小型顕微鏡が唾液などから健康を判定し、病院や農家とつながる時代像が描かれる。免疫学で2025年ノーベル生理学・医学賞を受けた坂口志文の、当初は学説的に受け入れられなかった発見が後の免疫薬につながった例にも触れられる。

話したトピック

  • 研究者の興味に興味を持つ営業姿勢
  • ゲノム編集とアニマルウェルフェアによる卵の雌雄判別
  • イメージングとAI解析による細胞レベルの画像判定
  • がん発症予測と発病前スクリーニング
  • 健康寿命の延伸と医療革命の展望
  • 見えないものを見る営みと二光子顕微鏡の確率論
  • 腸内細菌・陸上養殖・水質観察への応用
  • 家庭用小型顕微鏡による健康判定の未来像

この回の発言から

その黒い部分がですね、目の部分だけ黒いのが見えるんですよね。そうするとこの子はオスのヒヨコだというのが、卵が割れてくる前に雌雄識別ができる
— 大場敬生
イメージングで撮るだけではなくて、解析で最近流行りのAIというものを処理することによって、絵が持っている価値が非常に爆発的に、この5、6年上がってきているような印象を受けます
— 大場敬生
百聞は一見にしかずという古い言葉さん通り……イメージングというのは非常に訴えるものが大きい
— 大場敬生
25メートルのプールの中にコンタクトレンズを1枚放り投げて、これを探してみろみたいな。それを探すぐらいの確率論のことを、意図的にそういう現象が起きるように顕微鏡の眼下で演出してるわけですね
— 大場敬生
全部見えてないものを、いかに見るかということを追求、いろんな過去の先人が積み重ね積み重ね、見えないものを見えるようにし
— 大場敬生
十年前二十年前は見えなかったものを、見えることを目の当たりにできてる。これはなかなか得がたい経験
— 大場敬生
各家庭に小さい顕微鏡で、例えばツバでも入れれば健康状態が本当にわかっちゃうとかですね
— 大場敬生

このシリーズのエピソード

顕微鏡の今 with ニコンソリューションズ大場さん