2026年9月13日|21分
AIで農家の仕事はどう変わる? with 北海道の農家 とみやす Part1
北海道でブロッコリーやネギ、大豆などを育てる農家、とみやすさんを訪ねました。農業現場でのAI活用がOpenAIの公式ムービーでも取り上げられ、ご本人も出演しています。Part1では、ビニールハウスの開け閉めをLINEから操作できるようにした、その裏側を聞きます。エンジニア経験も電気工作の経験もないところから、ChatGPTやCodexと相談し、部品選びも配線も一つずつ。後半は、トラクターの通り道にまでネギを植え、ドローンでの農薬散布に挑む話へ。農家の「めんどくさい」を減らす、現場の試行錯誤を聞きます。
- ブロッコリー畑を見渡す、元馬小屋のカフェで収録
- 春先こそ気が抜けない、ビニールハウスの温度管理
- 手回しのハンドルから、LINEの「開ける・閉める」ボタンへ
- エンジニア経験なしから、ChatGPTやCodexと仕組みをつくる
- LINEからCloudflare、ESP32を経由してモーターが動くまで
- 暑さと湿気のあるハウスに、置く機器を増やしたくない
- 「かしめるって何?」から始まった、配線と工具選び
- 検索だけではできなかった――AIと相談しながら進める情報収集
- 自分だけでなく、農場の仲間が使えるようにLINEを選ぶ
- トラクターの通り道にもネギを植え、ドローン散布に挑戦
- ドローン用の高濃度散布で、運ぶ水を減らす
この回の内容
北海道勇払郡むかわ町の農場に出向き、農業法人WFPダチョウファームで農場長を務める冨安寛樹(X・noteでは「とみやす@北海道の農家」)を訪ねたシリーズのPart1。収録場所は、一面のブロッコリー畑を見渡す農場内の建屋の2階。窓の下には元馬小屋を改装したカフェが見える。むかわ町と沙流郡平取町の2拠点で合計約40ヘクタール(サッカーコート約40枚分)を営み、ブロッコリー・ネギ・大豆などを育てている。2026年3月末、ビニールハウスの側面巻き上げをLINEから操作できるようにした投稿がXで広まり、OpenAIの公式グローバル動画にも出演した。ビニールハウスは晴れると春先でも中が30〜40度になり、雲の出入りで温度が大きく変わる。20棟あると手回しのハンドルで巻き上げるだけで30分から1時間かかり、しかも1回上げれば済むものではない。そこで昨年12月ごろ、Amazonで買える巻き上げ用の電動モーター(24V)を入れ、LINEの「開ける・閉める」ボタンから動かす仕組みをChatGPTやCodexと相談しながら組んだ。構成は、LINE→Cloudflare→現場の小型コンピューターESP32→モータードライバー→モーター。Raspberry Piも候補だったが、暑さと湿気のあるハウスに置く機器は最小限にしたいと考え、頭脳はクラウド側に寄せた。エンジニア経験も電気工作の経験もなく、配線の「かしめる」が何かを聞くところから始め、工具もAIにリストアップしてもらって選んだ。部品はAmazonとAliExpressで調達し、雪で作業ができない12〜1月の農閑期に自宅でコツコツ組み立てた。検索で一つずつページを開いて読んでいたら完成しなかっただろうと振り返る。操作をLINEにしたのは、農場のメンバーが日常的に使っていて、自分ではなく苗担当のメンバーが使えるようにするため。後半は、農場のプロデューサー役の「ボス」が「ドローンでいけるでしょ」とトラクターの通り道にまでネギを植えてしまい、ドローン散布一本で挑む今年の実験へ。ドローン用の高濃度農薬は1000倍希釈のトラクター散布に対して8倍・16倍で済み、運ぶ水の量が桁違いに減る、というところで次回に続く。
この回でわかること
なぜビニールハウスの巻き上げを自動化する必要があったのか?
晴れると春先でも中が30〜40度になり、雲の出入りで温度が大きく変わるから。寒すぎれば生育が遅れ、暑すぎれば苗が焼けて枯れてしまう。20棟を手回しのハンドルで巻き上げると30分から1時間かかり、しかも天気が変わるたびに上げ下げし直す必要があった。
LINEからハウスを開け閉めする仕組みはどう動いているのか?
LINEの「開ける・閉める」ボタンを押すと指令がCloudflareに届き、現場の小型コンピューターESP32へ渡る。ESP32がモータードライバーに命令を出し、Amazonで買える巻き上げ用の電動モーター(24V)が側面のビニールを上げ下げする。構成はChatGPTと相談しながら決めた。
なぜRaspberry Piではなくクラウド(Cloudflare)を使ったのか?
ビニールハウスの中は暑く湿気もあるハードな環境なので、現地に置く機器は最小限にしたかったから。頭脳にあたる部分はクラウド側に寄せ、現場にはESP32とモーター周りだけを置く方針にした。
エンジニア経験がないのに、どうやって作り上げたのか?
電気工作の経験がなく、配線の「かしめる」が何かを聞くところから始めた。部品や工具はAIにリストアップしてもらって選び、AmazonとAliExpressで調達し、雪で農作業ができない12〜1月の農閑期に自宅で組み立てた。検索でページを一つずつ開いて読んでいたら完成しなかっただろうと振り返っている。
操作画面をLINEにしたのはなぜか?
農場のメンバーが日常的にLINEでやり取りしていて、IT企業ではないのでSlackなどを知らない人もいるから。使い慣れたツールから操作できれば一番楽だと考えた。ハウスの管理は自分ではなく苗担当のメンバーが行うので、その人たちが使えることを優先した。
農薬散布にドローンを使う利点は何か?
高濃度の農薬を速く撒けること。トラクター散布では農薬を1000倍程度に薄めるため大量の水を運ぶが、ドローン用の農薬は8倍や16倍で済み、必要な水の量が桁違いに減る。今年はネギでトラクターの通り道を作らず、ドローン散布だけで育てる実験に挑んでいる。
話したトピック
- ブロッコリー畑を見渡す農場内の建屋で収録、窓の下には元馬小屋のカフェ
- むかわ町と平取町の2拠点、合計約40ヘクタールの農場
- 2026年3月末にXで広まったハウス巻き上げの自動化と、OpenAI公式動画への出演
- 晴れると春先でも30〜40度/20棟の手回し巻き上げに30分〜1時間
- LINEの「開ける・閉める」ボタンから側面が巻き上がる
- LINE→Cloudflare→ESP32→モータードライバー→モーターという構成
- 暑さと湿気のあるハウスに置く機器は最小限に/Raspberry Piではなくクラウドへ
- 「かしめるって何?」から始まった配線と工具選び
- Amazon・AliExpressと雪の農閑期/検索だけではできなかった
- 農場の仲間が使えるようにLINEを選ぶ/苗担当のメンバーが操作する
- トラクターの通り道にもネギを植え、ドローン散布一本に挑む
- 1000倍希釈のトラクター散布に対し、ドローン用は8倍・16倍で済む
この回の発言から
2026年の3月末頃に、ビニールハウスの換気する仕組みをCodex活用して、電動モーターをリモートで動かせるようにして自動化したのがバズって
何も開けないと春先でも30度40度ぐらいにすぐ、晴れてたら
LINEから開ける閉めるボタン作って、LINEでピッとやったら側面が巻き上がっていく、巻き下がるっていう仕組みを、そのCodexと作りました
エンジニア経験はなくて、例えば電気関係とかハードウェア周りもやったことが全然なくて
AIにChatGPTとかに聞いていったら、できますよみたいな返事が来て、できるんだと思って
ESP32に通信が行って、命令がESP32に行って、ESP32がモーターを動かすように指令出して
また余計な機器が増えるよりも、クラウドサーバー使った方が楽そうだなと思って
分かんない、カシメルとは?そこから
冬の農閑期にやってましたね
ググってたら多分できてないなと思うんで
一番楽だろうなと思って、LINEから使えるようにしてる感じです
トラクターで走る道は全部なしで、ドローン一本でやるしかない状況にまあなってるっていう
ドローンを使うメリットは、すごい高い濃度の農薬を散布するときに、すごい早いんですよ
このシリーズのエピソード
AIで農家の仕事はどう変わる? with 北海道の農家 とみやす
- Part1: AIで農家の仕事はどう変わる? with 北海道の農家 とみやす Part1 (このページ)
- Part2: AIで農家の仕事はどう変わる? with 北海道の農家 とみやす Part2