2026年3月25日|19分
動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part3
ゲスト: 新村毅(東京農工大学 教授) 、赤野間信行(NTTテクノクロス) 、大家眸美(NTTテクノクロス)
アニマルウェルフェアの権威である東京農工大学の新村教授と、和牛肥育分野のDXの先駆けのNTTテクノクロスの赤野間さんと大家さんにお話を伺います。(3 of 3)
- 鶏の飼育方法4種類がすべて見られる
- USやEUでの動物福祉と経済は?
- 日本の農家の「働き方」の現状は?
- 圧倒的な中小の現実
- 10年後も卵や和牛は食べられる?
- 「見る」ということの希望
- 暗黙知を形式知に
この回の内容
「The Update」動物と会話シリーズ最終第3部。東京農工大学の見学施設は、ケージ、エンリッチドケージ、平飼い、エイビアリー(多段の止まり木を備えた5階建て放し飼い)の4方式に屋外運動場を加えた飼育方法を一施設で見られる世界的にも稀な場で、家族連れを含む来訪者が鶏の砂浴びなど本来の行動を見て価値観を変えると新村毅が語る。卵は生産コストが高く衛生管理も複雑だが、欧米では動物福祉に配慮した卵を高くても買う消費者が6割以上おり、ケージ卵はむしろ売れず経済合理性が働くと説明。日本は段階的な意識変化の途上とする。話題は畜産の担い手(成り手・継ぎ手)問題に及び、大家眸美・赤野間信行が、大企業は労働環境(休みの確保・夜勤削減)を改善している一方、中小が多く親の代で廃業する例や数十頭規模の農家の実情を語る。10年後に国産の肉・卵・食文化を維持できるかという懸念として、飼料の輸入依存、東南アジアの需要増、円安と通貨安による穀物の買い負け、人口減少が挙げられ、餌と担い手の問題が複雑に絡むと指摘。テクノロジー(アニマルコンピューターインタラクション)で課題解決を図る産学連携やプラットフォームの必要性が語られる。新村は、ゼロからイチの気づきには現場を「見る・感じる」観察力が重要で、女性エンジニアが未経験でも牛を対話的に扱えた例を挙げ、暗黙知を形式知へ言語化しフィジカルAIにつなぐ展望を示す。締めに、新村教授、赤野間マネージャー、大家アシスタントマネージャーの3名との対話を振り返る。
この回でわかること
東京農工大学の見学施設では何が見られるのか?
ケージ、エンリッチドケージ、平飼い、エイビアリー(多段の止まり木を備えた5階建て放し飼い)の4方式に屋外運動場を加えた飼育方法を、一施設で見られる世界的にも稀な場である。家族連れを含む来訪者が鶏の砂浴びなど本来の行動を見て価値観を変えると新村毅が語る。
動物福祉に配慮した卵は経済的に成り立つのか?
欧米では動物福祉に配慮した卵を高くても買う消費者が6割以上おり、ケージ卵はむしろ売れず経済合理性が働く。卵は生産コストが高く衛生管理も複雑だが、日本は段階的な意識変化の途上とされる。
10年後も国産の肉や卵を食べられるのか?
懸念として、飼料の輸入依存、東南アジアの需要増、円安と通貨安による穀物の買い負け、人口減少が挙げられる。餌と担い手の問題が複雑に絡むと指摘される。
畜産の担い手不足はどうなっているのか?
大企業は労働環境(休みの確保・夜勤削減)を改善している一方、中小が多く親の代で廃業する例や数十頭規模の農家の実情が、大家眸美・赤野間信行から語られる。
現場の暗黙知はどう技術につなげるのか?
新村毅は、ゼロからイチの気づきには現場を「見る・感じる」観察力が重要だとし、女性エンジニアが未経験でも牛を対話的に扱えた例を挙げる。暗黙知を形式知へ言語化しフィジカルAIにつなぐ展望を示し、テクノロジー(アニマルコンピューターインタラクション)による産学連携やプラットフォームの必要性が語られる。
話したトピック
- 4方式の飼育を見られる見学施設(ケージ・エンリッチド・平飼い・エイビアリー)
- 来訪者の価値観変化と鶏本来の行動
- 卵の生産コストと欧米の消費者意識(6割以上)
- ケージフリーの経済合理性
- 畜産の担い手(成り手・継ぎ手)問題
- 飼料の輸入依存と国産食文化への懸念
- 産学連携によるテクノロジーでの課題解決
- 現場を「見る・感じる」観察力と暗黙知の形式知化
この回の発言から
飼い方が全部その一つの施設で見られるっていうのは、多分世界でもないですね
鶏らしい行動を見ることができて、やっぱりその価値観がすごいやっぱり変わっていく人が多いですね
高くても買うよっていう人が60%以上いるので、結局スーパーとかでケージの卵売っても売れないんですよね
これからどんどん需要が高まってくる中で、今も円安で弱くなってくる中、アジア諸国が力つけてきて通貨でも負けてしまう。人口減少もあるという中で、餌を買い負けちゃって穀物入ってこないんじゃないかっていう危機感っていうのは、ずっとみんな持ってる
でもだんだん僕たちも、なんとなく言ってることが分かるようになってるんですよ。目が元気ないとかね。こう一頭全体見たときに、空気がどんよりしてるんです
その子、初めて牛房に入ったのに、牛をコントロールできるんですよね。どっちに足を出したらどっちに動くとか、教えてないんですよ
ゼロからイチを見つけるのっていうのはすごい得意な人たちが集まっている
この回から生まれた記事
- アニマルウェルフェアとは?
家畜の飼い方をめぐるアニマルウェルフェアの考え方と、ケージフリーが欧米で4〜5割に達した経緯を解説。鳴き声から情動を読む研究と担い手不足の現実まで。
このシリーズのエピソード
動物と会話!? with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん
- Part1: 動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part1
- Part2: 動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part2
- Part3: 動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part3 (このページ)