2026年3月11日|18分
動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part2
ゲスト: 新村毅(東京農工大学 教授) 、赤野間信行(NTTテクノクロス) 、大家眸美(NTTテクノクロス)
アニマルウェルフェアの権威である東京農工大学の新村教授と、和牛肥育分野のDXの先駆けのNTTテクノクロスの赤野間さんと大家さんにお話を伺います。(2 of 3)
- 音を波形にして気が付く
- 世界初の映像化
- 鶏は夜寝る時100%どうなるか
- 牛とのインタラクションの追求
- 搾乳ロボット
- 近江牛のはなし
- アニマルウェルフェアのトレンドは?
- アメリカの「揺り戻し」の状況は?
この回の内容
「The Update」動物と会話シリーズ第2部。冒頭は前部から続くひよこの鳴き声「ピヨ」の発見経緯で、東京農工大学教授の新村毅が、大学院生の早川が録音をスペクトログラム(音の波形)画像に変換し、動画と照合してラベル付けすることで喜び・悲しみなど異なる種類のピヨを見分けたと語る。新村は、鶏が夜に最も高い止まり木で寝るという通説を映像で初めて実証した例(5階建ての止まり木で全羽が最上段に集まり、捕食リスクを避ける本能とみられる)を紹介。NTTテクノクロスの赤野間信行・大家眸美は、牛への声かけを続けると牛が学習して寝方や群れの位置を変える可能性、24時間365日の映像記録に触れ、「時空を超えたインタラクション」の芽を語る。既存の類似例として作乳(ミルキング)ロボットを挙げ、食いしん坊の牛が来すぎると搾れずゲートが開いて追い出される仕組みを紹介。CES2026でのフィジカルAI隆盛に触れ、人間ですらない動物を相手にしたインタラクションはむしろ最先端だと位置づける。導入農家からは「人の目での発見→センサー通知→自動で起こす」への進化が評価され、背景に800〜900kgの牛を夜間に起こす重労働や酒も飲めない負担があると説明。南九州の和牛産地の洗練された和牛カルチャーにも言及。世界のアニマルウェルフェア動向として、欧米ではケージフリーが10年前の1割未満から4〜5割へ拡大し法規制も進む一方、日本は微増にとどまるが段階的に変化していると新村が解説。東京農工大が昨年4月に開設し1500人が訪れた見学施設も紹介される。
この回でわかること
ひよこの鳴き声の意味はどうやって見分けたのか?
東京農工大学教授の新村毅によれば、大学院生の早川が録音をスペクトログラム(音の波形)画像に変換し、動画と照合してラベル付けすることで、喜び・悲しみなど異なる種類の「ピヨ」を見分けた。
鶏が夜に一番高い止まり木で寝るのは本当か?
通説を映像で初めて実証した例が紹介される。5階建ての止まり木で全羽が最上段に集まり、捕食リスクを避ける本能とみられる。
牛に声をかけると何が起きるのか?
NTTテクノクロスの赤野間信行・大家眸美は、声かけを続けると牛が学習して寝方や群れの位置を変える可能性を語る。24時間365日の映像記録とあわせて「時空を超えたインタラクション」の芽と位置づける。
動物を相手にしたインタラクションは技術的に遅れているのか?
むしろ最先端だと位置づけられる。CES2026でのフィジカルAI隆盛に触れつつ、人間ですらない動物を相手にしたインタラクションこそ先端だとする。既存の類似例として作乳(ミルキング)ロボットがあり、食いしん坊の牛が来すぎると搾れずゲートが開いて追い出される仕組みが紹介される。
畜産の現場では何が評価されているのか?
導入農家からは「人の目での発見→センサー通知→自動で起こす」への進化が評価されている。背景には800〜900kgの牛を夜間に起こす重労働や、酒も飲めない負担があると説明される。
ケージフリーは世界でどこまで進んでいるのか?
欧米では10年前の1割未満から4〜5割へ拡大し法規制も進む一方、日本は微増にとどまるが段階的に変化していると新村が解説する。東京農工大が昨年4月に開設した見学施設には1500人が訪れた。
話したトピック
- ピヨの発見手法(スペクトログラム画像化とラベル付け)
- 鶏の止まり木の通説を映像で初実証
- 捕食リスク回避の本能
- 牛の声かけによる学習と行動変化
- 作乳(ミルキング)ロボット
- フィジカルAIと動物インタラクションの最先端性
- 畜産導入農家の評価と夜間労働の負担
- 世界のアニマルウェルフェア動向と東京農工大の見学施設
この回の発言から
それを全部画像にして波形にしてみると、ピヨの中にも全然違う種類のピヨがあるっていうことを、いろいろ気づきを得て
鶏って夜寝るときに一番高い止まり木で止まって寝るんだっていう通説がね、あったんですよね。それ実際にカメラで撮ってみたら、本当にそうでしたね
今のニワトリって別に誰からも食べられないのに、そういう本能が残ってるっていうのがすごい面白かったですね
こういう寝方しちゃうといつも声かけられるのがうざいなって学習した牛は、そもそもそんな寝方にならないようなところに自ら移動してる説
たまに食いしん坊の牛がいてですよ、しょっちゅう入ってくるやつがいるんですよ。……そうすると餌出ないで、ゲートがパンと開いて、はい出ていってくださいってこうなるんです
昔は人手で発見して、次にセンサーが検知をしてくれたんだけど、お知らせまでだよねと。ついに勝手に起こしてくれるところまで来たよね
10年前ぐらいはケージフリー、その放し飼いの鶏が10%もいかなかったぐらいのところから、今もう40%とか50%に到達するよねぐらい。本当に革命みたいなことが生じている
この回から生まれた記事
- アニマルウェルフェアとは?
家畜の飼い方をめぐるアニマルウェルフェアの考え方と、ケージフリーが欧米で4〜5割に達した経緯を解説。鳴き声から情動を読む研究と担い手不足の現実まで。
このシリーズのエピソード
動物と会話!? with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん
- Part1: 動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part1
- Part2: 動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part2 (このページ)
- Part3: 動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part3