THE UPDATE

2026年3月4日|25分

動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part1

ゲスト: 新村毅(東京農工大学 教授)赤野間信行(NTTテクノクロス)大家眸美(NTTテクノクロス)

動物と会話!?with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん Part1

アニマルウェルフェアの権威である東京農工大学の新村教授と、和牛肥育分野のDXの先駆けのNTTテクノクロスの赤野間さんと大家さんにお話を伺います。(1 of 3)

  • 動物と会話できる人たちが集まっている!?
  • アニマル・コンピューター・インタラクションという分野
  • ニワトリの親子の会話を再現する
  • ひよこの「ピヨ」には2種類ある
  • 「喜びのピヨ」と「悲しみのピヨ」
  • パニック行動を起こさないようにする
  • 声を利用して牛の命を救うサービス!?
  • 胃にガスが溜まる起立困難で死に至る
  • 畜産農家の知られざる苦労
  • 「ファーマーズウェルフェア」という観点
  • 「アニマルウェルフェア」という時代
  • 動物語を理解する
  • 録音データを波形画像にすると発見が!

この回の内容

ポッドキャスト「The Update」(案内役・川崎佑治)で、東京農工大学教授の新村毅(アニマルウェルフェア研究)と、NTTテクノクロスの赤野間信行・大家眸美の3名を迎えた「動物と会話!?」シリーズ第1部。テーマは「アニマルコンピューターインタラクション(ACI)」で、人とコンピューターをつなぐヒューマンコンピューターインタラクションの動物版であり、犬の翻訳機「バウリンガル」のような一方通行ではなく、人から動物への働きかけを含む双方向性が本質だと説明される。新村は、ひよこの鳴き声「ピヨ」に喜びと悲しみの2種類があり、スペクトログラム(音の波形)で判別できることを大学院生の早川が発見した経緯を紹介。母鶏はストレス時に「コッコッコ」と鳴いてひなを落ち着かせ、鳴き声が喜びのピヨに切り替わる。この仕組みを、AIで悲しみのピヨを検出しスピーカーで母鶏の声を自動再生して再現し、新環境でのストレスや過密による圧死(足)事故を防ぐ。赤野間・大家は、黒毛和牛の肥育で第一胃(ルーメン)の発酵によるメタンガスがたまる鼓脹症で、牛が夜間に起立不能となり2〜3時間で窒息死する事故を、カメラとスピーカーを用いてAIが危険な姿勢を判定し自動で声かけして救うサービス(一昨年4月ローンチ)を解説。牛は草食動物で聴覚が敏感なため声かけが有効で、起立困難で死ぬ牛がほぼゼロになった。生産者の精神的負担を軽減するファーマーズウェルフェアと動物福祉(アニマルウェルフェア)の意義も語られる。

この回でわかること

アニマルコンピューターインタラクション(ACI)とは何か?

人とコンピューターをつなぐヒューマンコンピューターインタラクションの動物版である。犬の翻訳機「バウリンガル」のような一方通行ではなく、人から動物への働きかけを含む双方向性が本質だと説明される。

ひよこの鳴き声に意味の違いはあるのか?

ひよこの「ピヨ」には喜びと悲しみの2種類があり、スペクトログラム(音の波形)で判別できることを大学院生の早川が発見した。母鶏はストレス時に「コッコッコ」と鳴いてひなを落ち着かせ、すると鳴き声が喜びのピヨに切り替わる。

ひよこの鳴き声の研究は何に使えるのか?

AIで悲しみのピヨを検出し、スピーカーで母鶏の声を自動再生してこの仕組みを再現する。これにより新環境でのストレスや、過密による圧死(足)事故を防ぐ。

声かけで牛の命を救えるのか?

黒毛和牛の肥育では、第一胃(ルーメン)の発酵によるメタンガスがたまる鼓脹症で、牛が夜間に起立不能となり2〜3時間で窒息死する事故がある。カメラとスピーカーを用いてAIが危険な姿勢を判定し自動で声かけするサービス(一昨年4月ローンチ)により、起立困難で死ぬ牛がほぼゼロになった。牛は草食動物で聴覚が敏感なため声かけが有効だという。

ファーマーズウェルフェアとは何か?

生産者の精神的負担を軽減するという観点である。動物福祉(アニマルウェルフェア)とあわせて、その意義が語られる。

話したトピック

  • 3名のゲスト紹介(新村毅・赤野間信行・大家眸美)
  • アニマルコンピューターインタラクション(ACI)とは
  • バウリンガルとの違いと双方向性
  • ひよこの鳴き声「ピヨ」の2種類(喜びと悲しみ)
  • 母鶏の声かけとAIによる再現
  • 過密による圧死(足)事故の防止
  • 和牛肥育の鼓脹症と夜間の起立不能事故
  • 声で牛の命を救うAIサービスとファーマーズウェルフェア

この回の発言から

僕らがやってるのは人から動物に語りかけるって部分もあるんで、それがあって初めてインタラクションが生まれる
— 新村毅
喜びのピヨと悲しみのピヨがあるってことが分かってきたんですね
— 新村毅
そうするとヒヨコのピヨが喜びのピヨに見事に切り替わるんですよ。そしてお母さんも鳴かなくなるみたいな。たった3つの声のインタラクションみたいなのがあるんですよ
— 新村毅
彼らはチキンなんで、一箇所に集まって積み重なって死んじゃったりするんですね
— 新村毅
実は声を利用して牛の命を救うっていうサービスをローンチさせていただいていて
— 赤野間信行
立てなくなったら2、3時間で死んでしまう。これは病気とかなんでもなくて、本当に事故ですよね
— 赤野間信行
夜見回りしてない農家さんって、朝みんなドキドキしながら農場に入るんですよ。何が起きてるか分からない、死んでるかもしれないって
— 赤野間信行

この回から生まれた記事

  • アニマルウェルフェアとは?

    家畜の飼い方をめぐるアニマルウェルフェアの考え方と、ケージフリーが欧米で4〜5割に達した経緯を解説。鳴き声から情動を読む研究と担い手不足の現実まで。

このシリーズのエピソード

動物と会話!? with 東京農工大学新村教授&NTTテクノクロス赤野間さん・大家さん