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2026年6月27日|19分

田んぼと土壌の不思議 with 土壌学者 藤井一至教授 Part4

ゲスト: 藤井一至(福島国際研究教育機構 土壌学者)

田んぼと土壌の不思議 with 土壌学者 藤井一至教授 Part4

『土と生命の46億年史』の著者である土壌学者の藤井一至先生に、田んぼや土の不思議をお聞きします。福島国際研究教育機構・土壌ホメオスタシス研究ユニットリーダー(元国立研究開発法人森林研究・整備機構・森林総合研究所主任研究員)。

  • 月の「土」は小麦粉サイズ
  • どじょう↓、↑どじょう
  • つち?どじょう?
  • 手で掬ったのは「土」
  • 暮らしとつながると「土壌」
  • 僕はチャレンジャー
  • 福島国際研究教育機構はまだ更地
  • メジャーとテスター持ってウロウロしている
  • 本の宣伝ではないときほどバズってしまう
  • 本を書くときは山奥に行きたい
  • くだらないことから書く
  • ユーモア成分は編集者がかなり削ってくれている
  • ユーモアとヒューマンは「土」の生命力から来ている
  • AIは過去の情報、コンサバティブ
  • 研究者は挑んでいる
  • 土壌学者としては「土は作れません」土の研究者としては「土を作ろう!」
  • 研究はいかに持続可能であり得るのか
  • ホメオスタシスを考える

この回の内容

シリーズ最終回の第4部では、案内役の川崎佑治と土壌学者・藤井一至が、土の定義論から研究者としての生き方までを語り合う。前半は月の土をめぐる議論の続きで、月面の粉体は小麦粉サイズまで砕けているが水がほとんどないため粘土にはならず「粘度が足りない」こと、しかし月には月なりの土があると藤井は述べる。地球では保守的に生物活動を前提とする定義を、月では拡張する必要があり、「土の定義AとBのどちら使ったか」を確認すべきだと語る。「土」と「土壌」の使い分け、英語では単に soil であること、自分は専門家然とする『土壌学者』ではなく土に教わる『土の研究者』を名乗り、常識に挑むチャレンジャーでありたいという姿勢を明かす。中盤は近況で、福島国際研究教育機構は建設中で実験棟の完成は約5年後、現在は宇都宮大学のラボを借りて実験していること、研究所の設計に関われる楽しみ、テスターとメジャーを持って空間を測る日々を語る。メディア出演やX(旧Twitter)で本業でない話(フキをかぶった動画で植物学者と誤解される件)が意図せずバズる悩みにも触れる。後半は執筆論で、次の本を書きたいが筆が進まないこと、しょうもないジョークから書き始めないと本文に入れない執筆スタイル、編集者がジョークを半分に削ることを明かす。AIとの差別化として、知識はAIが藤井の記事を引用して答えられるが、文体やユーモアは代替できないと指摘。ユーモア(humor)とヒューマス(humus=腐植)、ヒューマン、ヒューミリティ(湿り気に宿る生命力)の語源的つながりを楽しげに語る。土壌学者としては「土は作れない」と言いつつ、土の研究者としては土を作ろうと挑み続けること、研究所や組織の持続性=ホメオスタシス、そして忙しさの中で自分自身のホメオスタシスが守られない悩みを述べて締めくくる。

この回でわかること

月に土はあるのか?

月面の粉体は小麦粉サイズまで砕けているが水がほとんどないため粘土にはならず「粘度が足りない」。それでも月には月なりの土があると藤井一至は述べる。地球では保守的に生物活動を前提とする定義を月では拡張する必要があり、「土の定義AとBのどちらを使ったか」を確認すべきだと語る。

なぜ「土壌学者」ではなく「土の研究者」と名乗るのか?

専門家然とする『土壌学者』ではなく、土に教わる『土の研究者』でありたい、常識に挑むチャレンジャーでありたいという姿勢から。「土」と「土壌」の使い分けや、英語では単に soil であることにも触れる。

研究環境は今どうなっているのか?

福島国際研究教育機構は建設中で、実験棟の完成は約5年後。現在は宇都宮大学のラボを借りて実験しており、研究所の設計に関われる楽しみや、テスターとメジャーを持って空間を測る日々が語られる。

AIに代替されないものは何か?

知識はAIが藤井の記事を引用して答えられるが、文体やユーモアは代替できないと指摘する。ユーモア(humor)とヒューマス(humus=腐植)、ヒューマン、ヒューミリティ(湿り気に宿る生命力)の語源的なつながりも楽しげに語られる。

本はどうやって書いているのか?

次の本を書きたいが筆が進まないこと、しょうもないジョークから書き始めないと本文に入れない執筆スタイル、そして編集者がそのジョークを半分に削ることを明かす。

「土は作れない」と言いながら土を作ろうとするのはなぜか?

土壌学者としては「土は作れない」と言いつつ、土の研究者としては土を作ろうと挑み続けるという立場である。研究所や組織の持続性=ホメオスタシス、そして忙しさの中で自分自身のホメオスタシスが守られない悩みも述べられる。

話したトピック

  • 月のレゴリスと粘土(水の不在)
  • 土と土壌の使い分け・英語での soil
  • 土壌学者ではなく土の研究者という自己規定
  • 福島国際研究教育機構の建設と宇都宮大学のラボ
  • メディア出演とXでの意図せぬバズ
  • 次作の執筆論とジョークから書き始めるスタイル
  • AIとの差別化(文体・ユーモア)
  • ユーモア・ヒューマス・ヒューミリティの語源
  • 土は作れるかという挑戦
  • 研究所・組織と自分自身のホメオスタシス

この回の発言から

僕から言うと、それはまだ粘土が足りない。月はほとんど水がないと言われているので……それでも月は月なりの土があると
— 藤井一至
土のことを教えるのが土壌学者で、土に教わるのが土の研究者だと思ってて
— 藤井一至
研究所をデザインするとか言ってますけど、やってることはメジャーとテスター持ってうろちょろしてる。電源探して
— 藤井一至
小学生の時、200字の原稿とか400字の原稿用紙を見て、はぁ何書いていいんだろうみたいなのがずっと続いてます。本当に今でも
— 藤井一至
土作れますかって聞くと、作れませんって言って私の記事を引用してきますからね
— 藤井一至
土壌学者としては土を作れませんって言いますけど、土の研究者としては土を作ろうって挑んでる
— 藤井一至

この回から生まれた記事

  • 土とは何か?

    土壌学では何を「土」と呼ぶのか。岩石と生物が交わった場所という定義から、殺菌した土が土でなくなる理由、そして月のレゴリスをNASAが土と呼ぶまでを解説。

このシリーズのエピソード

田んぼと土壌の不思議 with 土壌学者 藤井一至教授